このページではプラチナバンドといわれている800Mhz・900Mhz帯とそれより高周波数である1.7GHz帯2.0GHz帯はどちらが速いのかどちらで通信するべきなのかについてみていきたいと思います。
周波数によって異なるメリット・デメリット
低い周波数ほど遠くまで届くただし大容量のデータ送受信ができないというメリットとデメリットがあり、高い周波数には大容量のデータを通信できるが遠くまで飛ばすには高い電力が必要になるというデメリットがあります。
同じセルで基地局を作った場合、周波数が低いほどカバーするエリアが広くなります。なので1.7GHz帯と800GHz帯で同じカバー範囲を作りたいと思えば基地局の数を増やすか出力を増やすかのどちらかを取る必要があります。
例えば800Mhz帯と1.7GHz帯を比較すると800Mhz帯では500ミリワットで良かったところが3000ミリワットの出力が必要になるということがわかります。
1.7GHz帯と800GHz帯を比べると106倍1.7GHz帯が減衰しやすいということがわかります。
そのため人口が少ない郊外田舎などでは800Mhz帯で幅広くカバーし、人口が密集している都市部・地下鉄などの地域ではピコセルフェムトセルといったスモールセルを使ってさらに1.7GHz帯で大容量に対応した方が良いということがわかります。
そのため1.7GHz4.0GHz帯の方が800Mhz帯より必ずしも良くないとはいえません。むしろ大容量のデータ通信を要求される都市部では高い周波数の方が向いているということもできます。
新しい都市部でも800Mhz帯などのプラチナバンドが活躍する場合があります。それは高層ビルなどビル陰に入ってしまうと1.7GHz帯2GHz帯の高周波数の電波が届きにくくなってしまうからです。
このような場合はデータ送受信の量は減ってしまいますが、800MHの方がつながりやすいという特徴を持ちます。
スモールセルとは:日経BP
800Mhz帯が携帯電話に向いている理由
- それでは800Mhz帯はなぜ携帯電話に向いているのか、それは
- 人口密度が低い地域で一つのセルで広い範囲がカバーできる
- 機器を設置する費用負担が少なくなる
- 消費電力は少なくて済む
- 出力を少なくすればセルを小さくすることも可能
- ビルの室内の奥など障害物の多いところでも電波が届きやすい
スモールセルが重要になってきている理由
一方高い周波数を使ったスモールセルも重要になってきています。それはスマホユーザーのデータ通信容量が増えているためです。
都市部ではユーザーが多くまた一人ひとりのユーザーのデータ通信の量が多くなっていてひとつの計画ではカバーできなくなりつつあります。そのためさらに小さいセルを設置することで人が集まるところでも通信が混雑しないようにする必要があります。
そのためマクロセルに加えてピコセルなどのスモールセルを追加して少人数を一つの基地局でカバーするようになっています。
さらに本物のLTE4Gでは3.5GHz帯のさらに高周波数の帯域を使うことになっています。その場合従来のマクロセルではかなりの消費電力をあげないと従来と同じ範囲のセルをカバーできなくなるため、スモールセルを多く設置していく必要に迫られるのは必至です。
800Mhz帯高周波数帯の特徴のまとめ
- 800Mhzのプラチナバンドが必ず良いとは限らない
- 人口密集地域では1.7GHz帯の大容量のデータ通信が必要
- 今後はマクロセルだけでなくスモールセルでデータ容量の増加に対応することが必要